VYMと他の高配当株ETFの組み合わせについてまとめます
VYMと他の高配当株ETFを組み合わせて保有・運用することについて、現状までに筆者が考えることをまとめてみます。
Contents
SPYDとの組み合わせ
- VYMを持つ保守的な投資家がSPYDとの組み合わせを考える→×(SPYDはよりリスク選好的なため)
- VYMを持つリスク選好的な投資家がSPYDとの組み合わせを考える→〇
- SPYDを持つ保守的な投資家がVYMとの組み合わせを考える→〇
- SPYDを持つリスク選好的な投資家がVYMとの組み合わせを考える→×(VYMはより保守的なため)
SPYDはVYMと得意な相場が異なる点や、均等ウェイトのために値動きが強調されている点に注意します。
過去の相場や分配金実績を見ると、SPYDは価格変動も分配金実績も景気敏感性が高いです。VYMと組み合わせることで、ポートフォリオはより景気の影響を受けやすくなります。
そのため、積極的な投資家はSPYDを選ぶメリットがありますが、「常に一定の配当を安定的に受け取り続けたい」投資家はVYMに資金を集中させて良いと考えています。
HDVとの組み合わせ
- HDVを持つ投資家がVYMを組み合わせることで、ポートフォリオの配当利回りは減るものの、トータルのパフォーマンスは良くなる可能性
- VYMを持つ投資家がHDVを組み合わせることで、ポートフォリオの配当利回りは増えるものの、トータルのパフォーマンスは悪くなる可能性
HDVとVYMは銘柄の配当持続性(財務)を考慮している点で似ています。ですが、VYMは市場に任せて広範に投資するのに対し、HDVは配当を基準にポートフォリオを組むので、マーケットポートフォリオ(S&P500)よりもアレンジが効いています。
過去の特徴を見ると、HDVはVYMより配当利回りこそ高いものの、トータルリターンでは劣る傾向にありました。下落リスクに対するリターンの比率(ソルティノレシオ)で見ても、HDVよりVYMのほうが優れていました。
といった特徴から、「VYMとHDVは雰囲気が似ているけども、より無難なのはVYM」と筆者は考えています。
VIGとの組み合わせ
- VYM保有者がVIGを保有することで、より下落相場への耐性を獲得できる可能性がある(受け取れる配当は減る)
- VIG保有者がVYMを保有することで、受け取れる配当を増やせる(下落相場での損失が増える可能性)
VIGは厳密には高配当株ETFではないので、VYMと組み合わせるで受け取れる分配金が減ってしまうデメリットがあります。一方、過去の相場では、よりマーケットポートフォリオ(S&P500)に近いのはVIGで、銘柄の価格変動もS&P500より抑えられやすい特徴がありました(クオリティファクターの影響)。
そのため、より保守的な投資家はVIGを持つメリットがあり、より積極的な投資家はVIGを持つメリットが薄れます。
ちなみにVYMとVIGを併せ持つことで「一定以上配当利回りが高く、かつ10年以上の増配を続けられるような銘柄」を強調することになります。配当貴族銘柄が好きな人はこの組み合わせを好意的に受け止めやすいかもしれません。