高配当株ETFの選択「VYMとSPYDを組み合わせる」時の判断基準
この記事では「VYMとSPYDを組み合わせる(両方買う)」ことの是非を考えます。
組み合わせを考えるにあたって、ざっくり4つのケースに分けられると思います(あなたはどのケースに近いですか?)。
- VYMを持つ保守的な投資家がSPYDとの組み合わせを考える→×(SPYDはよりリスク選好的なため)
- VYMを持つリスク選好的な投資家がSPYDとの組み合わせを考える→〇
- SPYDを持つ保守的な投資家がVYMとの組み合わせを考える→〇
- SPYDを持つリスク選好的な投資家がVYMとの組み合わせを考える→×(VYMはより保守的なため)
この条件で、2つのETFを保有しても良いのは2番と3番のケースです。1番と4番のケースは投資家の意向に合わない選択になる可能性があります。
以前の記事では、VYMとSPYDの選択について、以下のように結論付けました。
「VYMを選ぶ?SPYDを選ぶ?」の二択は、以下のようになります。
- より保守的な運用ならばVYM
- より積極的(より「異端」的)な運用ならばSPYD
つまり、VYMを選ぶことは、より守りに入る選択であり、SPYDを選ぶことは、より攻めに入る選択です。
過去の相場やETFの特徴から考えると、保守的な投資家にSPYDは不向きです。なぜならSPYDはその特殊なポートフォリオゆえ値動きが大きく、特に景気後退期での下落相場で大きな損失を被りやすいからです。
一方、リスク選好的な投資家にVYMは不向きです。VYMは比較的値動きが抑えられており、特に値上がりでのリターンを取りにくい可能性があるからです。
といった特徴を踏まえると、先ほどの1番と4番のケースは投資家の意向に合わないという話になります。2番と3番のケースはポートフォリオ上は違いが見えないんですけど、投資家の選択から考えると理に適ってるかと思います。
ちなみに、「VYMとSPYDが構成銘柄のセクターが違うので、組み合わせると良い」という話は不適切です。セクターの比率はリバランスで変わってしまうためです。
仮にセクター比率が固定だったとしても、S&P500(VOO等)や全米株式(VTI等)に対して、いくつかのセクターをオーバーウェイトし、いくつかのセクターをアンダーウェイトすることになるので、「セクターの分散でリスクも分散」とはならないように思います。
このあたりの検証はまた別の記事で紹介します。
なお、VYMと他の高配当株ETFの組み合わせについては以下の記事も併せてご覧ください。