高配当株ETFの分配金利回りと1日あたりの株価変動の大きさの関係
高配当株ETFの分配金利回りと1日あたりの株価変動の大きさの関係を調べてみました。以前紹介した象限図をより詳しくしたものです。
今回は高配当株ETFとして、VYM、VIG、SPYD、SDY、HDV、DVYを対象にしました。また、比較対象としてSPY(S&P500)を使っています。
横軸は毎日の株価変動の大きさ(ボラティリティの大きさ。過去5年)で縦軸は分配金利回りの多さです。必ずしも「右上ほど儲かる」とは言えない点に注意してください。
さて、SPYより値動きの抑えられた高配当株ETFはVIG、VYM、HDVでした。このあたりがより保守的な投資家向きのETFと言えそうです。
逆にSPYより値動きが大きかった高配当株ETFはSDY、DVY、SPYDでした。SPYDが少し突出しているのは、SPYDのポートフォリオの特殊性が効いてそうです。
DVYはHDVと、SDYはVIGとコンセプトが似ているのですが、それぞれパフォーマンスがちょっと異なる点は興味深いです。インデックスの組成の仕方のわずかな違いで損益も結構変わってしまうのですね。
ちなみにコロナショックでの最大下落率(マックスドローダウン)も作ってみました。
VIGのみが保守的な結果となり、それ以外の高配当株ETFはSPY以上の下落を経験しています。
高配当株ETFの中で守りが強かったのはVYMですね。逆に値下がりが大きかったのはSPYDとDVYです。SPYDは当然として、DVYが比較的大きめに落ちてるのはちょっと意外です(この銘柄も何かクセがあるのかも)。
というわけで、この期間のパフォーマンスで言えば、より多くの分配金を求めるほど、下落相場で大きな損失を被ったと言えます。分配金の利回りの高さだけを追求するデメリットとして、覚えておきたい事象だと個人的には思いました。