2021年6月の高配当株ETFのパフォーマンス。景気回復はピークを迎えた?
2021年6月の高配当株ETFのパフォーマンスと現在の景気位置について紹介します。長期投資には必要のない情報ですが、「今何が起こっているか」を知ることは投資を続ける上での不安を軽減することに役立つと個人的には思ってます。
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2021年6月の高配当株ETFのパフォーマンス
今回はVYM、HDV、SPYD、VIGの4つの高配当株ETFとVOO(S&P500)のパフォーマンスを比較してみました。その結果が以下のグラフです。ちなみにYahoo Finance(US)の配当調整後のパフォーマンスを利用しています。
21日の前に大きく落ちているのはFOMCですね。
FOMCでは市場が想定するよりもタカ派な雰囲気だったために、特に景気敏感株が売られ、その後はハイテクグロースが買われるという相場トレンドの変化がありました。
この時の下落で特に大きかったのはSPYDです。SPYDはどうしても下落時に大きく値下がりしてしまい、他の高配当株ETFに劣後する傾向があるように思います。
ちなみに今回比較に用いた配当をテーマにしたETFで、1か月のパフォーマンスがもっとも良かったのはVIGでした。VIGはポートフォリオにマイクロソフト等を含んでいるのが強いと個人的には思ってます。
現在の景気位置とSPYDのパフォーマンス
次は現在の景気位置。以下の記事でも触れたように、高配当株ETFは銘柄によって景気のどんなタイミングで強さを発揮するかが異なる可能性があります。
現在注目すべきはおそらくSPYDのパフォーマンスです。
と、その前にVOOとVTIのパフォーマンスから見てみましょう。
以下のグラフはVOOからVTIのパフォーマンスを引いたもの(青。左軸)と米10年債金利(赤。右軸)です。青い線が下側に向かうとVTIが強く、上側に向かうとVOOが強いことを示します。
過去の傾向から、景気の底~景気回復時期にはVTIが強く、景気のピークから景気後退期に向けてはVOOが強い傾向があります(より景気敏感な中小型株が強いかどうかの違いです)。
コロナショックの底から2021年3月頃まではVTIが強い傾向にありましたが、最近はVOOのほうが上回る傾向にあります。ちょうど米10年債金利もやや遅れてピークをつけていて、景気回復の勢いは落ちてきたように思います。
米国ISM製造業購買担当者景気指数も5月以降はほぼ横ばいです。
指数が、50を下回ると景気後退、50を上回ると景気拡大を示す。
以下はVOOからSPYDの成績を引いたもの(青。左軸)です。SPYDは景気の底から景気回復時の中小型株が強い時期にVOO(S&P500)を上回る成績を出せる可能性があります。青い線が下側に向かうとSPYDが強く、上側に向かうとVOOが強いことを示します。
SPYDがVOO(S&P500)を上回ったのは、2020年11月のワクチン開発のニュース以降から、2021年3月までの間でした。ちょうど米国債金利がピークを付ける直前に勢いを落とし、それ以降は米国債金利が下がるほど相対的に弱くなるとの傾向を示しています。
個人的にもう少しSPYDが強い期間が長いかと思ってたんですが、賞味期限は思ったより早かったようです。
参考
ISM指数を除く今回の作図はPythonを使っており、以下の方法を参考にさせていただきました。